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研究紹介


大学院生

M2 大石 麻莉子

【研究内容】 逆散乱問題の研究


概要
結果
まとめ

概要


量子力学においては、一般にポテンシャルが与えられると、シュレディンガー方程式を解くことで散乱波が求まり、 観測量である散乱振幅や位相差を与えることができる(順問題)。 逆に、観測量である散乱振幅や位相差の情報からポテンシャルの形を推論する問題(逆問題)を逆散乱問題という。 本研究では、量子力学的弾性散乱における逆散乱問題を扱う。

量子力学における逆散乱問題は、局所ポテンシャルの仮定の下では1次元で解けるものの、 2次元以上の空間においては部分波展開して1次元化した上で解が求められてきた。

しかし、一般に非局所ポテンシャルV(r, r')に対する解を求める方法はわかっていない。 また、部分波展開によらずに局所ポテンシャルV(r)、または非局所ポテンシャルV(r, r')を求める手段は皆無である。

これまでに知られている逆散乱理論のうち、最も有用なのはMarchenkoの理論であるが、 本研究では、今までとは全く異なる理論形式により、非局所ポテンシャルまで許す逆散乱問題を構築する。 この理論は、本質的に部分波展開に依存しておらず、また、一般に非局所ポテンシャルも扱えることが示される。