Surface Science Laboratory of Sophia University

研究設備

研究設備

当研究室で所持している主な研究設備を説明します。
研究室では、ここに紹介する設備以外にも、共同利用設備や他学科/他研究室の設備も利用して研究を行っています。

 

☆ レーザーアブレーション(PLD)装置(3−336室)
 ターゲットに紫外線レーザービーム(エキシマレーザー、KrF)を照射し、ターゲット材料を局所的に加熱蒸発させて、対向する基板の上に堆積させる薄膜成長装置です。
 蒸着では作製不可能な高融点のものも成膜できます。また、スパッターよりも厳密な組成制御ができます。
 MBEやMOCVDに比べて量産性は劣りますが、酸化物をはじめとする様々な膜が簡単に成長できるので、色々な物質系で成膜するには大変強力なツールです。

 

 

☆ 原子層堆積(ALD)装置(3−336室)
 基板上での化学反応を利用して薄膜を層状に堆積させる装置です。堆積させたい物質の1種類の成分原子を含んだ化合物(有機化合物、塩化物、酸化物など)を気化・蒸発させて基板上に送り込みます。化合物は基板上に吸着します。次に、別の種類の成分元素を含んだ化合物を送り込むと、先に基板上に吸着した化合物と反応することによって目的物質が合成され、基板上に目的物質の薄膜が堆積します。
 基板や化合物の種類、基板の温度を適当に選ぶと、薄膜が1層ごとに成長します。膜厚を精密に制御したい場合や、1層ごとに異なる物質を成長させたい場合に威力を発揮します。
当研究室は、特に後者の目的で特殊な薄膜・人工超格子を成長させています。

 

 

☆ 高周波マグネトロンスパッタリング装置(3−335A室)
 気相中の不活性ガス(主にアルゴン)を高周波プラズマの中で電離させ、そのイオンを電場で加速した後にターゲットに衝突させて、ターゲットから飛び出して来た原子やクラスターをターゲットに対向する基板に堆積させることによって薄膜を作製する装置です。
 3種類のターゲットを利用して様々な種類の薄膜を作製することができます。
 高周波スパッターだけでなく、直流スパッターもできます。また、基板前処理としての逆スパッターも可能です。外部より制御された流量の酸素等のガスを導入し、反応性スパッターを行うこともできます。

 

 

☆ ゾルゲル法成膜装置(自作)(3−346室)
 前駆体溶液を基板上に塗布し、乾燥ゲル化して高温熱処理を行うことにより、基板上に成膜する方法です。溶液法ともいいます。多種多様な薄膜を比較的安価に作製できます。前駆体溶液を基板上に均一に塗るためのスピンコーター、乾燥させるためのホットプレート、熱処理のための管状炉より構成されています。

 

 

☆ 走査プローブ顕微鏡(SPM)(3−345B室)
 大気中あるいは真空中(低真空)で、走査トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)として使えます。液体窒素温度に冷却しての測定も行えます。
 STMは、先端を極限に尖らせた金属製の探針を試料表面に限界まで近づけて(1nm程度)、探針と試料間に一定の電圧を加えたときに探針と試料間に流れる電流(トンネル電流)を測定することで、試料表面の形状を求める方法です。
 また、AFMは、金属製の片持ち梁の自由端側に先端が尖ったSiなどの探針をつけたカンチレバーで、試料の表面を接触させながら(あるいは接触させずに一定の距離を保ちながら)なぞり、カンチレバーの上下運動を測定することで、試料表面の形状を求める方法です。
 どちらも原子スケールの形状を測定することができます。
 当研究室では、主に基板や薄膜・超格子の原子スケールの表面形状を測定しています。

 

☆ 低速電子回折/オージェ電子分光(LEED/AES)装置(3−336室)
 低エネルギー(30〜300eV)の電子を物質表面に入射させてその回折像を観察するものが、低速電子回折装置です。
 回折像から簡単に、物質表面が持っている2次元的な周期性や構造的な秩序の度合いがわかります。また、回折像の強度変化を測定して動力学理論によりこれを解析して、表面の原子構造(表面において各原子がどのように配置しているか)を求めることもできます。回折像の強度変化は、高感度のCCDカメラを用いて自動測定しています。

 

☆強誘電体評価システム(3−336室、建設中)
 強誘電体のキャパシタンスを高速かつ高精度に測定する装置です。分極ヒステリシスを構成できます。また、分極疲労測定やリーク電流の測定もできます。当研究室では、新規強誘電体や、強磁性強誘電体の分極特性の評価に用いています。

 

☆ 紫外可視分光光度計(3−345B室)
 200-1100nmの波長域で、試料の光透過率(あるいは吸光率)を測定する分光装置です。ダブルビーム光学系で、スペクトルバンド幅1.5nmと高い波長分解能を持っています。
 当研究室では、試料の紫外可視域での透過率や溶液の濃度を測定しています。

 

 

☆ その他
 各種真空装置、エッチングドラフト、ボックス炉、管状炉などがあります。


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